世界の真上で
2006年 02月 10日
サハラ砂漠、熱気、旅人の異郷の地に抱く甘く苦い幻想。彼が括られる作品への評価はこのようなものが多いように感じますが、私にはそれとは別の魅力、より深い、混沌としたなかの明解さを感じるのです。真っ暗闇のなかでじっと一つの光を見つめるようなもの。広大な地上のただ一点にたたずむ自分の、存在理由。喜びと馬鹿バカしさ。それらを飄々とあっけないくらいに表現してしまう彼に私は魅了され続けています。
UP ABOVE THE WORLD、そう「世界の真上で」。彼の作品の中で一番すきなもの。図書館でなにげなく手にしたその時から、私にとって彼の作品は尽きることのないインスピレーションの源になったのです。
その頃と時を同じくして出逢ったもう1人の人物もまた私に、目眩するような溢れるインスピレーションを今も与え続けている。私はその人と出逢った時、「世界の真上で」を読みかけていて、私はその人と過ごす時間の中で、はっきりと「真上」が意味するモノを理解した。それはまるでシナリオが用意されていたみたいに、私の目の前で風のように「叶った」のです。
by pieces_Yoshino
| 2006-02-10 23:13
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