カテゴリ:言葉( 66 )

風が報せる

風が報せる。

”それでいい”



低く立ちこめる雨雲。グレーの濃淡が滞る。

この出来事はいったいなんなのだろうと思う。

この出来事はいったいなんなんだ。




音が消え、

色も去り、

景色が消え、

ただ、鼓動のみ。吸う息と吐く息のみ。




ふと、眼前に光が差し、

音が戻り、

色が宿り、

景色が戻ってきた。

そして

グレーの濃淡は

強い南風に運ばれ、北へと流れ始める。

風が

それでいい、と教えてくれる。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-21 21:15 | words | Comments(0)

水面の向うに

ジタバタと慌ただしく駆け回りかき乱した、足元の水は濁っていた。

スカートをたくし上げ、その水面を覗き込む。

息を潜めて、じっと覗き込む。

浮き立った汚れは徐々に沈み、

澄んだ水の向うに

苺色のペディキュアが塗られた、自分の小さな足と、

一匹の魚が見えた。

鱗は、黄金色、

眼は、青空色をしていた。

臆病そうに

わたしの周りを付かず離れず泳いでる。

美しい陽の光を受け、

きらきらと輝きながら優雅に泳いでる。

その小さな魚を

深い海の底の静けさにも似た

心の水とともに掬い上げる。

ハロー、わたしの寂しさ。

ずっとここにいたんだよね。

知らないフリしてきて、ほんとうにごめんね。

さんざかき回して泥をかき立て、

あなたのこと見ないフリしてきた。

消えたフリしてきた。

ハロー ダーリン、ずっとずっと寂しかったんだよね。

ここにいるよって、

教えてくれていたのにね。

わたしはあなたとともにあるのにね。

どうぞ わたしのこと 嫌いにならないで。

美しいあなた、

星々の巡る様にも似た。

一緒にいてくれてほんとうにありがとう。

そしてそっと水に放つ。

魚はスイと一泳ぎし、

再び付かず離れず足元をくぐり出す。

くすぐったさと愛おしさが込み上げる。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-16 20:10 | words | Comments(0)

黄金の空を飾る

唇に歌。

指先にインクを滴らせ、イカロスの翼を足に

天を翔ける。

馳せる。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-10 21:15 | words | Comments(0)

シー セッド

:::

小さなことに忠実でありなさい。
思いやりの心をこめましょう。

なぜなら、
その中に私たちの力があるのですから。

私たちは、多くを与えることは
できないかもしれません。

けれど、
いつも神と共にいる愛にわきあがる喜びを
与えることができるのです。

:::

マザー・テレサ 「日々のことば」 より 


神は細部に宿る、という言葉があります。

わたしの目の前のあなたに、
あなたの目の前のわたしに、
あの梢に、
その椅子に、
このグラスに、

あらゆるものに神様がおられます。

わたしはそう信じています。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-09 21:15 | words | Comments(0)

かみのけ座銀河団を胸に

ある日、

星が生まれてそして死んでいくその一生が

わたしの内にあるってことが、

そんな想いが。

流星群のように降ってきた。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-06 16:36 | words | Comments(0)

あすへのきぼう

ひとが

きょうも生きていられるということは、

あすへのきぼうを持ち続けているからかもしれない。

すぐ鼻の先まで訪れている、

一瞬間の未来にきぼうを抱いているからかもしれない。

20回叩いて割れなくても

21回目なら割れるかもしれない。

その瞬間を心待ちに生き続けているわたし。

きっと、

22回目は叩かずに済んだとしても、

きっと、

その先の

割れた殻の中にある宝を胸に、

そのひみつをさぐるべく、

いきつづけるの。

始め在るものは終わりも必ず訪れる。

わたしの終わりは、いつだろう。

命を、探しているんだけれど、

まだ見つからない。

叩き方が、いけないのかな?

叩いても叩いても割れないの。

ぜんぜん、ヒビも入らなくて、困ってる。

ここにいるの、知ってるのになあ。

わたしはそれに生かされているのに。

外の、燃え上がるような新緑に急かされるようで

いそがなくっちゃって、

気ばかり焦って、困ってる。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-05 11:59 | words | Comments(0)

フィルモア通りで

私にしか見えないものが在ってね。

それは眩しすぎるくらい鮮烈でさ。

形と、匂いと、手触りと、

空気まで、まるでゼリーみたいに、

飲み込めてしまうテクスチュアを持っていて、

そのときに感じた、あなたとわたしの間柄の空気の層は、七色だったよ。

豊かなグラデーション。

透明なのに、色づいてた。

なんでもない近所のコーヒーショップで、

ボードゲームをする女の子二人が進める駒をゆっくり見て楽しんだ。

表通りは、暑さに飛びそうなほどの白色で揺らめいていて、

ひいやりとエアーコンディショナーの効いた店内は、

静かな心地よさ。

次の一啜りで、

このコーヒーが飲み干されてしまうなんてイヤ。

齧りかけのクロワッサンが皿に残されていて、

”まだもうすこしここに居たい”。

出入りするドアが開け閉めされるたびに、

こちらの世界と外の世界がスイッチされて、

溶けてしまう。

それは私の現実ではなくて、いつだって、わたしとあなただった。

目に映るこの光景を、

こんな世界を、

こんな匂いと音と、手触りと、心の中を駆け抜ける感情のストームと、

きっとあなたなら解ると思ってた。

思っていたんだよ。
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by pieces_Yoshino | 2015-05-04 14:50 | words | Comments(0)

いくつもいくつも

ほんとうの自分を知りたい。

それと同じ位置にいるビッチ。

悪さしたい訳じゃない。

ただただ続く草原を、
遠く連なる野山を歩き抜きたい私がいる。
ちっぽけだと感じるためでなく、
自分の中にある、
言葉にできない大きななにかと、
少しでも交わるために。

ボサボサの頭で、ライダースジャケット。耳に大きなフープ。真っ赤リップ。
格好良くタバコは吸えないけど、
綺麗なリーフ模様をひと啜り。
とろりと濃厚なジブラルタルを飲みながら、
軽口の憎まれ口はつぶやくよ。
最後にぺろりと舌を出す。ソーリー。ニヤリ。

この星空と溶け込みたい。

湧き上がる切なさの奥を見たい。

温かな気持ちで目の前のこの人の鼻をつまむ。ガッチャ。

火を熾したい。薪をくべて、業を燃やし尽くしたい。
炎を見つめて、私が生まれてそしてどこへ辿り着くべきなのか見届けたい。

いくつもいくつも自分がいる。

いくつもいる自分を眺めている、私の命がすぐそこにある。
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by pieces_Yoshino | 2013-10-04 21:15 | words | Comments(0)

繋ぐ

心をピチリと合わせて、

目には見えないけれど、

内側が指し示す方へ、

一つ一つ歩いていきます。

点だらけに例え見えたとしても、

それらの星を繋いで、

世の動きを司る星座に見立てた古代人のように。

線になっていくその感触を確かめながら。

それは、

私だけでなく、

皆さんとともに。
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by pieces_Yoshino | 2013-01-05 21:56 | words | Comments(0)

手が、お百姓さんのそれみたいに、黒く日焼けしてて、ぶ厚く節くれだってる。

髪も真っ黒。ぼさぼさ。

同じなのは、背格好、年の頃と東洋人ということだけ。

性格は、きっと正反対。

心からの眼差しと、それを研ぎすませていこうとする自制心、謙虚さ。

心からの眼差しが、己にあるように思っているだけ。振り、は上手い。

そう比べてハッとした。

謙虚な眼差しは、私が持ち合わせていなかったもの。

ブレずにポーズせずに差し出す姿勢は、私が怠けてきたこと。

鏡。

鏡。

今こうしてどこかの誰かと比べた私を、彼は昔ほかの誰かと比べていた。

相手がしていたことを、私がした。

気づいて、急に恥ずかしくなった。

自分のしたこと、すぐに返ってきちゃう。

あっという間に返ってくるんだよ。

だって鏡だから。

向うが指差したら、それは私が指差した私自身。

テラスの外は、ところどころ紅葉した山の連なりが見えるけれど、

美しい里山の景色をずっと眺めていたいけれど、

体に響く音を楽しみたくて目を閉じる。

はるか上空をくるくると舞う鳶。

心を鳥にして、自分を観る。

心を鳥にして、自分を観る。

目を開けた時、

世界を、

好ましく、

こう在りたいと願い溶け込む世界。眼差し。
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by pieces_Yoshino | 2012-11-06 16:57 | words | Comments(0)

湘南・寒川町で旬の地場野菜を使った精進弁当「黒猫」を営んでいます。お届けしている精進弁当情報 や、店主の日々あれこれを載せています。「想い、言葉、行為」をたいせつに。人が生きる本当の道は、真理を知る事。お志事を通して社会や人類のお役に立たせて頂きたいと切に願っています。大好物は、笑顔!


by 黒猫:Yoshino_FUJISAWA
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