バークリーの素敵な女性シェフのインタビュー@Cha-ya

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マクドナルドを15才で首になるのは、レストランキャリアのスタートとしては幸先がいいとは言えない。



しかしながら、現在はバークリーのダウンタウンにあるVenusRestaurantのシェフ責任者兼共同経営者でもあるエイミー・マレーは、当時は料理の道を目指してはいなかったのだ。マクドナルドの首の理由は、彼女が放課後のテニスのスケジュールと両立させられなかったからでもあるのだけれど。

ミシガン州の彼女のホームタウンRed Brickで、そのティーンネイジャーは皿洗いからサラダバー担当へと昇進した。「いつもあるものと言えばアイスバーグレタスに缶詰のビーツ、それにこれまた缶詰の豆といったものばかり」、彼女は笑って言う。

8人兄弟の一人として育った彼女。家族はみな、“健全”な食べ物が重要であるときちんと認識し、それを共有し合っていた。つまり、シェフが献立のために、厨房にないものをわざわざ探しに出掛けてまで作る、そんな類いの食事ではなかったということだ。

マレーがインタビューに選んだのはシャタック通りにあるジャパニーズビーガンレストラン「Cha-ya」だ。ランチタイムやディナー時には殆ど常に店の外にまで行列が出来る。彼らはその21のシンプルなテーブルかカウンター席の一つが空くのを待っているのだ。

マレー自身は、カレー風味に味付けした野菜のパンケーキを添えたインディアンブランチや、たまり醤油と胡麻のソースで和えた野菜を添えたハラジュク風豆腐といった世界のハイライト的な料理も手掛けるオーガニックのアメリカンメニューを出すレストランを経営しているのだが、そんな彼女はCha-yaの、巧なまでにシンプルかつ良心的な価格設定を施しているフードを称賛する。

寿司職人の統括者でありオーナーでもあるアツシ・カツマタ氏は、ビーガンダイエットから期待させるような「境界線」を壊す、そんな幅広いメニューを作り出してきた。

ありそうだな、と思えるト−フメニュー(たとえば若布とスカリオンの温かいミソスープ、野菜と厚揚げの入ったホットヌードル<うどんかソバをチョイス>などはにぎり寿司のリストの中で、一品ものの存在感を見せているのだけれど)以上に多彩な味わいと食感のある品々がある。例えばマッシュルームを入れて土鍋で炊いたtaku-sushi、春雨や野菜、すこぶる美味しい焼き餃子を優しい味わいのスープに入れたものはポン酢ソースで食べるし、詰め物をした揚げなすはショウガソースを添えてある。

マレーは日本食に対して特別な親しみを抱いている。彼女の料理への情熱はイタリアのノートルダム大学へ留学中に目覚めたのだけれど、その後の日本での体験が彼女の方向性を確たるものにしたようだ。マレーは英語を教えに一年間日本へ行くことになるが、結局それは三年にもおよび、その間アジア〜ビルマ、モンゴル、パキスタン〜と旅したのだ。そして行く先々の国の料理と恋に落ちることになる。

マレーが日本語を勉強中、授業の課題で、自分の将来の夢を決める、というものが出された。なんとしたことか唐突にも、彼女はレストランを経営する、と言ったのだ。

国に帰り、バークリーに落ち着くと、彼女はMartin Luther King Jr. 通りで火曜に開かれる:ファーマーズマーケットの隣に住んだ。そしてそこでもう一つの恋、(それはオーガニックのカリフォルニアフードへと行き着くことになるのだが)店舗経営をはじめることになる。彼女の友人デイウ゛・コ−マンがオークランドのJack London VillageでHappy Belly Deliを一緒にオープンさせないかと声を掛けたのだ。そしてきちんと開発されているとは言いがたいその地で、たくさんのビジネスがあるにもかかわらず、彼らの商売は軌道にのり成長していったのだった。

私たちが店をオープンさせた時、デイウ゛は自転車で私たちの料理のサンプルを近所のオフィス全部に配って回ったものよ。マレーは思い出し笑いする。

6年後、Venusを開ける立地を見つけた時彼女たちは店をバークリーに移転することを決意する。その地はまた、今までオリジナルの日替わりブランチ/ランチメニューでやっていたものに加え、月曜を除く全ての晩にディナーメニューを拡大することができるようにもなったのだ。

マレーの、オーガニックやサスティナブル(環境保全型・持続可能型)農法による食材への強いこだわりの流れで、彼女の使命は店や彼女自身に、昔ながらの果物や野菜、オーガニックの穀物や豆類、(養殖などの人為的なものを一切交えない、という意での)環境保全型の捕獲に因る魚介や、ホルモン剤も抗生物質も使われていない肉を使うことを約束させたのだ。ワインのリストでさえオーガニックやバイオダイナミック農法(※)で製造されたボトルを集中させている。「私たちの目標は、完全に“グリーン”になる、ということなの」

マレーは、彼女のレストランでベジタリアンのための特別メニューも提供しているが、ビーガン向けには、彼女はCha-yaを選ぶ。私たちがシェアした皿の数々は彼女のお気にいりでもある。とろりとした胡麻のドレッシングがかかったホウレン草とブロッコリーニの胡麻和えや、ほんのり甘いお酢で和えたセンロッポン(千六本)サラダは薄く刻んだ野菜のシャキシャキ感や厚揚げ豆腐、大豆や松の実の味わいがにぎやかな一皿だ。

甘いモノの話をしているうちに、私はアジアのビーガン食で出されるデザートはいったいどんなものなのだろうと、思った。マレーは一度もそこのデザートを食べたことがないというではないか。これは試さずにはいられないだろう。いやはや、この調査の結果は素晴らしいものになった。わたしたちのとった2皿はどちらも申し分ない。チョコレートムースケーキはリッチで柔らかくしっとりした美味しさだし、まるでシリンダーのように並べられたオーガニックバナナはさっくりとした天ぷらにされて、抹茶と小豆のソースが敷かれた皿の上に素敵に収まっているのだ。

ヨガ教室も開業するこのスレンダーな女性は、うっとりするようなケーキをもうひと齧りする誘惑にすっかり降参したように、ため息混じりにこういう。「ああ、ジョギングにまた戻らなきゃね!」

CHA-YA VEGETARIAN JAPANESE CUISINE: 1686 Shattuck Ave. (near Virginia Street), Berkeley; (510) 981-1213.

HOURS: Lunch noon-2 p.m Tues.-Fri., noon-2:30 p.m. Sat.-Sun.; dinner 5-9:30 p.m. Sun.-Thur., 5-10 p.m. Fri.-Sat.

PRICES: Soups and salads, $2.50-$5.50; small plates and a la carte sushi, $3.25-$7.75; combination dinners with miso soup, rice and salad, $15.25-$17.25; desserts, $4.

ソース:Cook's Night Out from SanFrancisco Chronicle

※バイオダイナミック農法(ビオディナミとも言う)は惑星と地球の位置関係が土壌や生命体の成分及び気象等に与える影響を鑑みた上で、種まきや苗植え、収穫などの時期を天体の動きにあわせて実施。また、肥料などで人為的な化学物質を一切使用しないかわりに、天然のハーブや鉱物、家畜を利用して作ったプレパラシオンとよばれる特別な調合物を使う、といったもの。これは人智学者シュタイナーの思想を元に体系化された農法であるが、現在は主にワイン生産での活用が盛んである。

この記事を読んで、今の食ブーム、トレンドをずいぶん知ることができました。サスティナブルやバイオダイナミックといった農法、理論がこれから台頭してくるのでしょう。ヨーロッパやアメリカなどではずいぶん目を向けられて、着々と市民権を得つつあるようですが、まだオーガニックも十分にこなれていない日本では、これらはあと2〜3年先のことになるように思います。
それと、ちょっと謎なのがこのCha-ya、あのCHAYAとは無関係なのでしょうか?ネット検索してもなんのつながりも見いだせないからなあ。どなたか事情を知っている方おられたら、教えて下さい。

ベジやビーガンについて2002年にフードリンクというサイトに文章を掲載したことがあるので、よろしければそちらも御覧下さい。オリジナルはこちら
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by pieces_Yoshino | 2006-02-15 14:47 | 湘南&東 日々のこと | Comments(0)

湘南・寒川町で旬の地場野菜を使った精進弁当「黒猫」を営んでいます。お届けしている精進弁当情報 や、店主の日々あれこれを載せています。「想い、言葉、行為」をたいせつに。人が生きる本当の道は、真理を知る事。お志事を通して社会や人類のお役に立たせて頂きたいと切に願っています。大好物は、笑顔!


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