露草

露草を挿した小瓶は朝の瑞々しさの残り。

小さいながらもきっぱりとした藍は昼の暑さにしぼんで、今にも消えそうだ。柳型の葉だけはピリリ濃い緑を残す。

天からどさりと落ちてくる熱気に走り出したくなる。訳もなく急いて胸騒ぎ、それは何かか生まれる予兆。産み落とすその瞬間、そわそわと落ち着きのない動物の母のように駆け出す憶い。

切り裂いていくよ。この透明で重たく熱をもったゼリー。西の空の橙。天上の蒼。

いらっしているよこの時間なら。遠く近くもう次の世界へと住まう大切なあなた達をお迎えして、対話する。いつもよりもっと近く顔を寄せるように話せるその近さで。

行き来する私たち。二次元でないと話し合ったばかりの死と生を、暑さで味わう明日の我が身。

今日生きていることは万人にとっての奇跡。明日の死も日常を作り繰り返し生み出すごく当たり前の奇跡。

露草は明日も咲く。私は一日挿して愉しみくたびれた彼女たちのかわりに、その鮮やかな藍のひとときを楽しんでいる新しい彼らを摘んで愉しむ。
[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by pieces_Yoshino | 2009-08-13 23:32 | words | Comments(0)

湘南・寒川町で旬の地場野菜を使った精進弁当「黒猫」を営んでいます。お届けしている精進弁当情報 や、店主の日々あれこれを載せています。「想い、言葉、行為」をたいせつに。人が生きる本当の道は、真理を知る事。お志事を通して社会や人類のお役に立たせて頂きたいと切に願っています。大好物は、笑顔!


by 黒猫:Yoshino_FUJISAWA
プロフィールを見る
画像一覧